「あなたは本当の意味で貧乏な生活を知らない」といつの日か母親に言われたことがある。多分、将来の職業についての話の時だったとと思う。大学生の頃だったはず。「お金よりも大事なものがある」とか何だか言って、それに対する母親の返答がこれだった。母の言っていることに異論はない。実家暮らしだった高校生までの間も、家を出た大学生以降も食事に困るほど困窮したことはない。これから先がどうなるか分からないけど、極力その状態にはならないような選択をしていこうと思っている。だから、「お金よりも大事なもの」の存在を主張した僕ではあるが、お金が必要だということに疑いはないし、それを言った当時よりも今の方が、お金の必要性は強く感じている。「Into The Wild」という映画の中で、旅人である主人公がお金を焼く場面があって、印象的だったけど、お金を焼くという行為を僕は出来ないと思う。お金って何のか?どう付き合うのが良いのか?いつも考えてしまうので、今の自分の頭の中にあるものを書いてみる。
お金とは?価値を可能な限り普遍的な形にして使いやすくしたものがお金だと思う。本当に便利。それが成り立つのもお金の価値を皆んなが信じているからだと考えると、結局何なのかは掴みにくくなるし、皆んなが信じるのをやめない限りにおいては、そんなこと考えなくても良いのかも知れないが、お金と付き合う上では意識しておいた方が良いと思う。お金をただの数字・記号としての側面を持っていると思うが、その数字・記号には人を動かす力が備わっている。お金は世の中のほとんど全てのものと紐づいていて、僕たちの生活の中のものの全てにおいてお金が絡んでいると言えるはず。人間が動くところには、基本的にお金の流れはある。みんなが無料で使える公園だって税金で出来ているし、その税金は誰かが働いて納めたお金。少し脱線するが、何をするにもお金が動いている。でも、そのことが見えにくくなっている気もする。タダで相談に乗ってくれる保険の窓口とか、無料で使えるSNSも、表面からは見えにくいところで沢山のお金が流れている。お金の流れを見ると、社会の仕組みがある程度はわかると思うけど、そのことに意識をおかないと、その流れの存在を知ることは、案外難しいかもしれない。
お金と不安。幸運なことに、僕は現在、充実感もあり楽しいと言える類の仕事に就けている。でもこれを給料なしでもやるか?というと、それはない。給料がもらえるというのも仕事が楽しいと感じる大きな要素だと思う。お金のためだけの仕事ではない。でも、これはあまり認めたくないけど、お金のために仕事をしているとも言える状態ではあると思う。更に言うと、お金に囚われている生活とも言える思う。その生活の中でいつも頭にあるのが、どれだけのお金を手に入れれば、お金のために仕事をしなくて良くなるんだろうか?と言う疑問。でも、多分この考え方では正解に辿り着かなくて、この疑問の根本にある「不安」はお金の額だけで解決できる問題ではないはず。自分の中にある「不安」を解決することがお金に囚われることから脱する一つの手段なのではないかなと思う。だからお金じゃなくて、それ以外のものでその不安を小さくするしかない。それは自分への自信ではないかな。どんな状況でも大丈夫ということになれば不安は解決する気がする。あとは、死ぬまで働く、そうしても良いと思えるような仕事を見つけると言うのも解決策になる気がする。どちらの解決策も個人個人によって違う答えになるだろうから、自分の中にある答えを探し続けるしかないと言うことかな。
貯まったお金と流れるお金。オーストラリアでのワーホリ生活の中で思ったことを一つ。お金は貯めていても無くなるということ。定期的に入ってくる仕組みがないとダメ。僕の性格による部分が大きい気もするが、定期的にcash inがないと精神的にきつい。だんだん預金が減っていくのを見るのは気持ちいいものではなかった。自分が使う金額に対して莫大な額、例えば20年分とかの金額があれば違う感覚なのかも知れないが(額が大きくても減っていくのはストレスがかかるという説もあるみたいだけど…)、数ヶ月分の金額であれば、残額が減って行くに従って不安が大きくなっていった。友達の中には、残金が少なくても平気そうな人は何人かいたけど、それがどこまで平気なのかは分からなかった。平気とは言いつつ、心のどこかでは気になっていたのかも知れないし。遊んで過ごすのも楽しいけど、仕事をしてお金が流れ込む状態の方が、ある意味リラックスできていた気もする。では不労所得が定期的に流れ込む状態になったらどうなるか?という疑問もあるが、これはまだ経験したことがないのでまだ分からない。その状態を目指してはいるけど、それがいつ実現するのかは分からない。というのもどれくらいの金額があればOKなのかが分からないから。計算すれば大体の金額感はわかるのだけど、それで本当にOKなのかはやっぱり分からない。最近は、FIREを目指しつつ、仕事は死ぬまで続けていけるようなマインドでいようと思っている。ちなみに、ワーホリに出る前は、オーストラリアで稼いだお金で奨学金を返し、そのまま自由の身で就職しないことも考えていた。結果的に、帰国した時には貯金はほぼ0の状態だったので、就活して今の自分がある。あと、お金は流すもので留めるものではないと言うような話を何かで読んだ(「ユダヤ人大富豪の教え」だったと思う)。これは感覚的に分かる気がする。お金は流れるものだから、自分のところに長く留めておくと良くないということかな。お金の基本性質として「流れる」というものがあるとということかと。お金自身も流れていきたいと言う性格を持っているから、オーストラリアで僕の元にあったお金はどこかにすぐに流れていったんだと思う(ドミノピザとか)。だからお金は貯めるより、お金の流れを太くしていった方が良いのではないかと思う。お金を得る方法と同じくらい、お金を使う方法も大事だと思う。良いお金の使い方とは?と言うのも今の僕のテーマだったりする。
お金のことを考えていると、様々なものに考えが及んでいく。それが楽しかったりする。その時々で考えることは変わる気もするけど、今考えいることはこんな感じ。いくら貯めれば自由になるんだろうね?この考え方ではダメだと思っていても、やっぱり考えてしまう…笑 とりあえず働きます!